【 眼鏡のレンズの傾斜について 】3Dデータ化した頭を元に、自分専用の眼鏡を作ってみる その2
「 【 Rhinoceros へインポート 】3Dデータ化した頭を元に、自分専用の眼鏡を作ってみる その1 」の投稿では、 123D Catch と Memento を使って作成した頭部の3Dデータを Rhinoceros へ読み込み、眼鏡の形をざっくりとモデリングし始める所までを書きましたが、今回はその続きとなります。
注:2018年1月現在、 123D Catch と memento は同じ会社の別アプリケーション ReCap へと移行し、使用できなくなっています。使い勝手など異なる所が多々ありそうですが、無償版・有償版があり、機能制限もありますので、詳しくは Autodesk のウェブサイトをご覧ください。
制作過程のその後。こちらも併せてご覧ください。
まずは少ない制御点でザックリとモデリング
Rhinocerosでのモデリングは、ヒストリー機能で左右をミラー反転させたものを同時に編集しながら、まずはザックリザックリと制御点の編集を行っていきます(前回最後に載せた画像のものは、制御点が多く編集しづらくなってしまったため、制御点の数を間引いてやり直ししています)。
自分専用の眼鏡を作ってみる訳ですから、顔のカーブにもしっかりと沿わせつつ形を編集、編集…
レンズの大きさは横幅50mm、天地30mmで設計。
流行りの大ぶりなレンズにすると、ド近眼な私の場合はレンズが分厚くなってしまうため、レンズは少し小さめかつ角を丸めにして、厚みが少しでも薄くなるように留意。
これから入るであろう老眼を考えると、もう少し天地は深くても良いかも知れないけれど…悩む…
私は目と眉毛が離れているので、もう少し眉毛を隠したいなぁ~なんて思いつつグリグリ…
前回は、レンズを取り外して水で洗いやすくすると書いていましたが、このモデルは9月7日から開催の KANABISM 福井展 へ出品するため、時間の都合もありレンズの取り外し機構と丁番は無しで進めました。
ま、まぁ、実際にレンズを入れる本番前に、掛け心地のチェックもしておきたかったですし…(汗
眼鏡のレンズの傾斜について
ここでは眼鏡の3Dデータを作る際に、レンズにつける傾きについて。
レンズの表面・裏面には球面(レンズカーブともいう)がついています。レンズ裏面の半径は 530をカーブ数で割った数値=レンズ裏面の曲面の半径 として計算し(各社微妙に異なる場合有り)、今回モデリングする眼鏡は一般的なレンズカーブ4カーブで設計しているため、4カーブの場合は530÷4= 132.5 がレンズ裏面の半径となります。
レンズの形が出来たら3次元空間上にレンズを配置するのですが、意外と間違われやすいのは、下図のように水平垂直に配置するのではないという事。
通常の眼鏡の場合、上面視で頭に沿う方向へ傾ける フロントカーブ (一般的な視力矯正用眼鏡の場合、5~6°ほど)と、
側面視で下向き加減に傾ける 枠傾斜 (こちらも一般的な視力矯正用眼鏡の場合、8°ほど)という2種類の傾きをつけて配置します。
ただしこの時に傾ける順番または方向を間違えると、この下図のようにレンズが釣り目になってしまうため、注意が必要です。
冶具などを作りやすいため、この釣り目になる方式で作られているメーカー様は今でもありますが、乱視の軸も釣ってしまう事を考慮すると、レンズは釣り目にならない方が良いはずです(フロントカーブを6°、枠傾斜を8°傾けた場合、正面視では約1°レンズが釣り目となりますが、サングラスの様な傾斜のきついものの場合は、レンズがもっと釣り目になってしまいます)。
眼鏡フレームだけでなく、ヘッドマウントディスプレイ用フレームやデバイス眼鏡などをモデリングする際に混乱しやすいのは、レンズにこうした傾きをつけるだけで基準面が無くなってしまい、更には狭い面積の中に複雑な曲面が密集するという眼鏡の特徴が原因のように感じます。
KANABISM福井展 用の作品がいったん完成へ…
以上を踏まえ、引き続きグリグリと格闘すること数時間…
適宜、制御点の数を増やしつつ…
顔と接触して怪我する事の無いように、肌に当たる部分の丸みや端面の反りを加えつつ…
鼻パッドも一体のシングルサーフェスで造型しています。
レンズを固定する糸を通す箇所以外は、スカルプティングかつシングルサーフェスでモデリングしているので、とても滑らかな曲面です。
後は厚みを付けたものを展示用の私の頭部形状と共に3Dプリンターにて出力、 KANABISM福井展 へ出品いたしました。
実際に掛ける事の出来る眼鏡の形になるにはまだまだ掛かりそうですが、このフレームをベースに改良していく予定です。
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あけましておめでとうございます
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