【 ダヴィンチ1.0 Pro 】 3Dプリントの成功例 (ギャラリー)

前回 3Dプリント不良の記録 という投稿で掲載した3Dプリント失敗例だけでは ダヴィンチ1.0 Pro をdisってるだけになってしまうので、ちゃんと成功例もギャラリーとして掲載しておこうと思います。
個人的には到着から約3時間で3Dプリントが出来て、必要な道具はスティックのり以外は全て同梱されており、私の体感ですがそこそこ綺麗に仕上がるものも出来始めている ダヴィンチ1.0 Pro は、買って良かったかな~と思っています。
ただ複雑な印刷設定やノズルのクリーニング、頻繁に行うキャリブレーションなどがあるため、手間暇を掛けたくない人や試行錯誤をしたくない人には、とてもお薦めできる代物ではありませんが…
3Dプリントの成功例 の目次
- かまぼこ型の部品(0.1mmピッチでの造型・ABS)
- 眼鏡の前枠(0.3mmピッチでの造型・ABS)
- 眼鏡の前枠(0.1mmピッチでの造型・ABS)
- 縦に細長い部品(0.3mmピッチ・サポート有りでの造型・ABS)
- アマガエル(0.1mmピッチ・サポート有りでの造型・ABS)
- 眼鏡(0.1mmピッチ・サポート有りでの造型・ABS)
- 送り出しギア掃除用ノズル(0.3mmピッチ・サポート有りでの造型・ABS)
- 掃除機ノズルホルダー(0.3mmピッチ・サポート無しでの造型・ABS)
- 頭部(0.2mmピッチ・サポート有り・ラフト有り・ABS・透明)
- 物干し竿を掛ける台座(0.2mmピッチ・サポート・PLA・白)
- 彫刻作品の10分の1模型(0.2mmピッチ・サポート有り・ABS・グレー)
- 簡易の人工呼吸器用ノズル(0.2mmピッチ・サポート有り・PLA・白)
- 3Dプリント製マスク(データは イグアス 様) 薄肉(約1mm)の造形(0.2mmピッチ・サポート有り・ABS・オレンジ)
- 3Dプリント製マスク(データは PITATT 様) 薄肉(約1mm)の造形(0.2mmピッチ・サポート有り・ABS・オレンジ)
1: かまぼこ型の部品(0.1mmピッチでの造型・ABS)
Thingiverse からダウンロードした PrintTest Model の中の、20mm×20mm×50mmの部品。
一部凹み溝が入ってしまっていますが、こ、これぐらいなら…(汗)
中に配置された丸棒もそこそこしっかりとした丸になっていますし、外寸もおよそマイナス0.3mm程度の誤差で仕上がっています。
2: 眼鏡の前枠(0.3mmピッチでの造型・ABS)
0.1mmピッチでの造型に失敗したため、少し条件を緩く積層ピッチ0.3mmへ変更しての造型。
簡単に形状のチェックを行うだけなら、この程度でも十分に役目は果たせそうです。
造型時間はおよそ3時間40分。
サポートの付いた所を取り外すと流石に荒れてしまいますが、ABS樹脂なのでヤスれば簡単に綺麗になりそうです。
3: 眼鏡の前枠(0.1mmピッチでの造型・ABS)
上記の0.3mmでの造型に成功したので、積層ピッチ0.1mmでの造型にチャレンジ。
1回プラットフォームから浮きが発生し途中で造型キャンセルしましたが、その次の造型でおおむね成功。こちらも一部凹みと荒れが発生しています。サポートはもう少し少なくできないだろうか…。
造型時間およそ4時間30分。
鼻の辺りが一部失敗してるけど、0.1mmピッチでサポート有り(密度高い)、底はラフト、その他の設定はデフォルトのままで造型成功。ほんの少しでも造型テーブルから剥がれたら、ノズルがそこに引っ掛かって、失敗していたっぽい。 pic.twitter.com/ws9aJ7D0hS
— 池田武史 / iDesign Studio / 5cc – デザイン・3D設計・3Dプリント❤️ (@5cc_design) March 14, 2016
4: 縦に細長い部品(0.3mmピッチ・サポート有りでの造型・ABS)

一度造型に失敗している縦に細長い部品を、サポート有りで造型。
造型後の姿はサポートだらけですが、サポートを取り外してみると…

サポートの跡は磨き無しのそのままの状態です。サポートはポキポキと折りながら簡単に外せるため、ざっくりと形を見たい時、失敗できない急ぎの時などは、何も考えずにサポート有りで造型してしまった方が、手っ取り早いかも知れません。
5: アマガエル(0.1mmピッチ・サポート有りでの造型・ABS)
PLAでは失敗しましたが、ABSでは割と綺麗に造型出来ました。
まだPLAでの良い設定値が掴めていない所が大きいのですが、ABSでは綺麗に造型できるようになりつつあるので、ひとまずはこの調子でテストをしていきたい。
6: 眼鏡(0.1mmピッチ・サポート有りでの造型・ABS)
以前から(今もですが)当サイトで無償公開している眼鏡フレームの3DデータをABSで造型し、こちらも綺麗に造型出来ました。
サポートの都合上、上下逆にして造型しているので上面は汚く見えますが、削れば(画像は切削途中です)綺麗に仕上がりそうです。逆に下面が上に向いた状態で造型しているため、下面はだいぶ綺麗に仕上がっています。
顔に掛ける事もでき私はフィット感も悪くないのですが、もし造型された方がいらっしゃったら、結果などをお教え頂けると嬉しく思います。
7: 送り出しギア掃除用ノズル(0.3mmピッチ・サポート有りでの造型・ABS)
ダヴィンチ1.0 Proはフィラメント式3Dプリンターなので、フィラメントを送り出すためのギアを定期的に掃除する必要があります。
怠ると…
マニュアルには25時間ごとの掃除を推奨されているフィラメントを送り出す歯車部こ掃除を怠ったばっかりに、フィラメントが送り出されないという事態に、、、 #ダヴィンチPro pic.twitter.com/z8JvhUlEbB
— 池田武史 / iDesign Studio / 5cc – デザイン・3D設計・3Dプリント❤️ (@5cc_design) March 28, 2016
このような事態を招くため、割と頻繁に掃除機でゴミを吸い取りたいのですが、丁度良いノズルが無かったためABSにて造型。
掃除も快適になりました。
8: 掃除機ノズルホルダー(0.3mmピッチ・サポート無しでの造型・ABS)
上述にて掃除用ノズルを造型しましたが、これを手持ちの掃除機に、簡単に脱着できるホルダーを造型。
これまで使用していた先端も、同時に引っ掛ける事が出来るようにしています。
9: 頭部(0.2mmピッチ・サポート有り・ラフト有り・ABS・透明)
2016年9月7日から開催の KANABISM 福井展 への眼鏡作品の展示台として制作。
ノズル移動時の引き戻し量が足りないのか裏面は糸引きが多く出ていますが、それ以外は概ね良好な仕上がりです。
頭部の形状は 123D Catch と Memento を使って3Dデータ化した私自身の頭の形を2mmの厚さに編集しています。後頭部を削ったとはいえそれでも18cm×18cm×18cmほどある大きさのため、造型は約45時間ほど掛かっています。ピッチ0.1mmだと造型に約72時間と表示されたため断念しました…
10: 物干し竿を掛ける台座(0.2mmピッチ・サポート・PLA・白)
我が家で物干し竿を掛けるための台座を3Dプリント。
横40mm×高さ55mm×厚み35mmほどのパーツを2つ造形・壁に固定し、突っ張りポールを差し込めるようにしています。そこそこ重量が乗っかるので、割れにくいPLAで造型しました。
PLAでの造型は、ノズルの横移動時の糸引きが多かったのですが、ノズルの横移動時にフィラメントを一時的に引き戻してくれる
- リトラクション距離を6mm
- リトラクションスピードを3000mm/分
に設定することで、ずいぶん糸引きが少なくなりました。
強度を持たせるためにインフィル(内部の充填具合)を多めにしているので、造型時間は約6時間かかっています。
11: 彫刻作品の10分の1模型(0.2mmピッチ・サポート有り・ABS・グレー)
2017年に手掛けたお仕事で、彫刻作品の模型試作も手掛けています(詳しくは下記ページをご覧ください)。
失敗出来る時間の余裕は無かったため、安全値でもある0.2mmピッチで造型を行っています。
12: 簡易の人工呼吸器用ノズル(0.2mmピッチ・サポート有り・PLA・白)
簡易の人工呼吸器の部品として使用できるノズルをPLAで造型しました。
こういったものも使わなければならないほど切迫した状況にならなければ良いなと思いながら、万が一の時のためにプリントしています。
弊社の ダヴィンチ1.0Pro は、どうもPLAでの出力が苦手だったのですが、設定を変える事でずいぶんきれいに仕上がるようになってきました。主にリトラクション距離やスピード、ノズルの拭き取り動作を変える事で、仕上がりが格段に良くなってきています。
この人工呼吸器に関しては、こちらのブログで触れています。
13: 3Dプリント製マスク 薄肉(約1mm)の造形(0.2mmピッチ・サポート有り・ABS・オレンジ)
厚みは約1mmの薄肉のマスクを3Dプリントしました。
かたまりだと問題なく造型できる設定でも薄肉になると積層の剥がれが生じやすくなるため、ヒートベッドとノズルの温度を上げ気味で造型しています。
造型自体は成功しましたがまだ積層の密着が弱いため、素材としては PLA にするか、ノズルの温度をもっと上げた方が良さそうに思います。
データはこちらからダウンロードさせていただきました。
イグアス 様のウェブサイトへ
装着感は割と広い面積で押さえつける感じ。
隙間が空いている場合はそのままでは塞ぎようが無いので、中央に入れるガーゼを大きめのものにしてそれで隙間も塞ぐか、PLAの素材であればドライヤーで熱して変形・調整も出来るかも知れません(※ヤケドに注意)。
14: 3Dプリント製マスク 薄肉(約1mm)の造形(0.2mmピッチ・サポート有り・ABS・オレンジ)
上記のマスクと同様に、こちらも厚みは約1mmの薄肉のマスクを3Dプリントしました。
パーツの分割は有りつつも、全体的な形や分割したパーツの固定方法、サポートの付き方に思惑が感じられてとても参考になりました。
装着感は上記のイグアス様のものよりは、接触している面積は少ないものの割としっかりと塞がれている感じ。
鼻回りの隙間も同様に、熱しての変形かガーゼで塞げるかという感じです。
ABSなら結構な確率で綺麗に3Dプリントできるようになってきました。
PLAでのテストはまだまだこれからなので、また時間を見つけては繰り返したいと思います。
2017年4月10日、PLAでの造型もずいぶん綺麗に出力できるようになってきました。
今後も随時追記していきます。
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