獅子目貫 レプリカ制作

獅子目貫 (ししめぬき)をご存知でしょうか?
「 目貫 (めぬき)」とは、刀の柄(つか)に埋め込まれる小さな金具のことで、装飾としての美しさだけでなく、滑り止めの役割も果たしている、日本刀を構成する大切なパーツのひとつです。
福井県福井市にある 一乗谷朝倉氏遺跡博物館 に展示されている 獅子目貫 は、獅子の姿を精巧に表現した純金製の目貫で、戦国大名・朝倉氏ゆかりの品とされ、その優れた造形と保存状態から、国の 重要文化財 に指定されている貴重な品です。
一乗谷朝倉氏遺跡での 獅子目貫 の展示風景
現代の技術でよみがえる、精巧なレプリカ
今回はクライアントである造形作家の S MODEL WORKS 様からご依頼いただき、その 獅子目貫 をお土産の目玉商品として販売するための 3Dデータ作成 で関わらせていただきました。
実物は重要文化財であり、手で触れることも持ち上げることもできません。そのため非接触式の 3Dスキャン のデータと、複数の角度から撮影された写真資料だけを頼りに、16世紀に彫られた彫金師のノミの跡や刃物の質感まで、1つ1つ丁寧に再現しました。
約3センチほどの小さな造形物ですが、その中に込められた技術やたてがみを表現した美意識は驚くほど豊か。
作られた16世紀頃には、満足な道具もルーペも無いような時代です。失敗したら溶かしてもう一度最初からやり直しという、とてつもない手間を掛けながら彫られたであろうことが想像できます。
そんな歴史と芸術が詰まったこの小さな「獅子」を、ぜひ間近でご覧いただけたら幸いです。
この小さな 獅子目貫 は、 一乗谷朝倉氏遺跡博物館 の開館2周年を記念して2024年10月1日に発売されました。(今もミュージアムショップで販売されています)
博物館にお立ち寄りの際は、ぜひお土産コーナーもチェックしてみてください。
一乗谷朝倉氏遺跡博物館 には、他にも様々な出土品が並んでいます。
是非お立ち寄りください!
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