福井しあわせ元気大会 2018 入賞メダル
2018年9月29日から 福井しあわせ元気国体 が開催されておりますが、その障害者スポーツ大会であり10月13日から始まる 福井しあわせ元気大会 の入賞メダル(金・銀・銅)のデザインに携わりました。
1: 福井しあわせ元気大会 2018 入賞メダルについて
クライアントは高度なメッキの技術で福井県を代表する企業である 清川メッキ工業株式会社 様。
公募形式かつ福井で開催される国体のため「 福井県ならではの産業技術や素材を使用すること 」が1つの基準となり、
- 外形は恐竜王国福井を連想させる 恐竜の卵形 をモチーフに
- 福井県花であり真冬の荒風にも負けない 水仙 を、大会参加者や入賞者の力強さになぞらえ、大胆かつシンボリックに取り入れる
- 素材には福井県産間伐材の木粉とプラスチックの複合材 フクウッド を使用し、 漆 (漆器)、 七宝 (眼鏡)、 メッキ (眼鏡や電子部品)、 リボン (繊維)などの 福井県ならではの技術をふんだんに取り入れたデザイン としています
なかなかにタイトなスケジュールの中、どうやって製造コストを下げるか(どの技術を取り入れ、どの技術を捨てるか)に苦慮しつつも清川社長のご決断もあり、素材や福井県ならではの技術も含めて、とても贅沢で重厚感のある仕上がりとなりました。
完成品画像とご協力いただいた企業様など。
メッキ・七宝・トータル企画は 清川メッキ工業株式会社 様。水仙の花をシンボリックに取り入れ、ラメの入った七宝で水仙の花びらの繊細さを表現しています。
伸びやかな水仙の茎をデザインに取り入れたリボンの製作は 株式会社SHINDO 様。
金属部分の鋳造後(画像左)は表面もザラついていますが、丁寧に研磨し(画像真ん中)メッキを施します。研磨・鏡面加工は 株式会社プロダクトマイスター 様。
銅メダルには 株式会社ワカヤマ 様にて、変色防止のクリア塗装を施しています。
水仙部分の素地は福井県産間伐材の木粉とプラスチックの複合材 フクウッド で射出成型していますが、こちらは フクビ化学工業株式会社 様と、 株式会社八木熊 様。
漆の塗布は越前漆器でも有名な 株式会社下村漆器店 様。漆の溜まりによる色の濃淡が、漆ならではの高級感を引き立てています。
新しくデザイン・設計・製造した紙製のパッケージは、高級箱も手掛けられている 増田紙器工業株式会社 様。
以上のように各工程でそれぞれの業界を代表されるメーカー様や関係者の皆様に、多大なご協力を頂きました。有り難うございました。
弊社では最初のデザインから試作制作、製造用の3Dデータの作成、パッケージの原案作成など全般的に携わっています。
▼途中経過など(画像をクリックすると拡大表示します)
2: 福井しあわせ元気国体2018 参加章・記念章について
この福井国体でのメダルなどの製造については、
- 福井しあわせ元気国体2018 では、参加者に配られる 参加章と記念章
- 福井しあわせ元気大会2018 では、入賞者に配られる 入賞メダル
の2種類の公募があり参加章・記念章の方へも応募はしていたのですが、残念ながらそちらは公募で残ることは出来ませんでした。
参加章・記念章は入賞メダルよりも多くの製造数となるため何とか残りたかったのですが、残念です…
参加者を中心に幅広く配られるため、親しみの持ちやすいキャラクター はぴりゅう を配置し、卵から飛び出してくる様を表面に凹凸をつけながら作りました。
▼下記は参加章のデザインスケッチ~簡易図面~3DCADでのプレビューイメージまで(画像をクリックすると拡大表示します)
3: 舞台裏と他県で開催された過去の国体メダル・参加章について
福井しあわせ元気大会2018 のマスコットキャラクターである はぴりゅう を、入賞メダルにキャラクターとして使用するかどうかはとても悩むところでした。
このページ下部に掲載した他県で開催された過去の入賞メダルでは、ほとんどに各県独自のキャラクターや県章が印刷やエンボスで表現されていたのですが、私としては2015年の 紀の国わかやま国体 のようなシンプルな方向性に振っていきたいという思いがあったため、入賞した記念となる入賞メダルには はぴりゅう は使用せず重厚感のあるものに仕上げ、多くの人に配られる参加章・記念章には親しみの持たれやすい はぴりゅう を使用するという方向分けを行っています(結果的には、参加章の方は不採用となってしまいましたが…)。
▼こちらはこれまでに他県で開催されてきた過去の国体の記念賞・入賞メダルの参考画像です(画像をクリックすると拡大表示します)
国体は各都道府県を毎年巡回するスポーツの祭典のため、およそ50年に一度の頻度でしか携わることは出来ません。そんなタイミングで福井県内企業からの公募で選ばれ、無事に量産・使用されることをとても嬉しく思います。
まだ大会は続いていますが、大きな事故や怪我など無く大会が終了しますことをお祈り申し上げます。
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