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3Dプリンター ダヴィンチ1.0 Pro の使用感について

3Dプリンター ダヴィンチ1.0 Pro の使用感について

きっかけは1件のツイート

先日ホントたまたま見かけたこんなツイートが切っ掛けで、3Dプリンター ダヴィンチ1.0 Pro を購入するまでに至ったため、その使用感なども含めてレビューしたいと思います。

イヤこの艶めかしい裸体に惹かれたわけでは決してあるのですが、それよりも意外と綺麗なこの積層跡。
フィラメント式3Dプリンターの特徴は、ノズル先端から溶かしたフィラメントを押し出しながら造型するため早くて安い反面、造型跡が汚くなりがちなのですが、意外と綺麗だなーと思いまして…その後、仕様などをチェックしていたのですが、

  • 造型エリアが20cm×20cm×20cm と割かし大きい
  • フィラメントは純正品以外にも、他社製フィラメントも使用可能(推奨ではないようですが)
  • キャンペーンで、2月中に注文した場合は1万円引きの お値段89、800円! 。驚きの10万円切りかつ消費税・送料込み

主にこの3点が決め手となり、その後楽天で注文へ。

3Dプリンターも当たり外れが大きいとは聞いていまして、外れだと散々な造型不良だらけになる事もあるため躊躇していたのですが、果たして…

3月1日から順次発送との事で、まぁこの値段ですし注文が多くて、発送は月末になるかなーなんて思っていたら、

1日には早々に発送したとの事。
そして翌日2日には、佐川急便で到着。早い、早すぎる。

取り出しの際は、縛ってあるプラテープ?を切った後に段ボールを上に引き抜けば、簡単に本体を取り出せます(後で知った)。
【2016年4月11日追記】
梱包の段ボールと発泡スチロールは、なるべく綺麗にまとめて保管しておいた方が良いです。
プリンターの不具合発生時に返送する場合がありますが、梱包用段ボールを自前で用意するか、この外したものを保管しておいて再使用するか、新しいものを改めて送ってもらい、それに詰めて送り返す事になるのですが、新しいものを送ってもらう場合は 梱包材+送料=¥3,800-(税別)、¥4,104-(税込) が別途掛かるとの事です(返送費用はどちらにせよ送り主負担)。
残しておいた俺Good Job!

白い緩衝材や中にはめ込まれたダンボール、オレンジのタイラップは、マニュアルに従って取り外します。
プラットフォームを仮止めしているオレンジのパーツとネジは、必ず取り外しましょうネ

マニュアルに従い同梱のCD-ROMからソフトをインストールし、付属のフィラメントのセットとロードを行います。

マニュアルと表記が違う所がチラホラと。
プラットフォームの水平調整のためにツマミを回すのですが、 5.3ステップ と書かれた所はマニュアルで言う所の 5.3段 という事と同じ事のようです。

キャリブレーション(ノズルとプラットフォームの位置調整もろもろ)は何度か失敗したものの、やり直すと無事成功。
キャリブレーションを行うとプラットフォームが上がってしまうため、キャリブレーション前にプラットフォームへ貼るための保護シール(同梱されています。とっても親切。)を、予め貼っておいた方が良さ気。
そして初3Dプリントへ…

とてもうるさいイメージがありましたが、隣の部屋でなら余裕で寝れるレベルの騒音です。
私なら真横でも寝れr…

造型完了。サイズは70mm×7.7mm×10mmの楕円柱を0.1mmピッチで造型して、約30分ほど掛かりました。

造型結果は特に問題なく、こんな感じに仕上がりました。フィラメント式ならこんな感じというか、尖った先端は少し荒れていますが、十分に綺麗な仕上がりかも知れません(当社比)。
精度もほどほどに出ているようで、サイズの大きなものではまだわかりませんが、この程度のサイズであれば0.3mm以内には収まっていそうです。

Rhinocerosで作成したSTLデータを、ファームウェアの XYZware For Pro へ読み込んでおり、XYZware For Proからデータを変換する際には、積層ピッチ(0.1~0.4mmの範囲で0.05mm刻み)や中を蜂の巣状にしてフィラメントの使用量を減らすなどの設定が、簡単に行えます。
今回はオーバーハング量も少なかったためサポートも必要ありませんでしたが、サポートが付いた場合どのような仕上がりになるかは、また改めて追記したいと思います。
それにしても ダヴィンチ1.0 Pro の到着からおよそ3時間で造型開始できる手軽さと、このオールインワンで10万円を切っているのは、正直ビビりますな。。。

3Dプリンター ダヴィンチ1.0 Pro のまとめ

注意しておいた方が良い点をまとめておきます。

開梱時

  • プラットフォームを固定しているオレンジのパーツとネジは、必ず取り外しましょう(付けたままだと故障します)。
  • プラットフォームへ貼るシートやフィラメント(紫色のABSでした)、クリーニング用のブラシや造形物を取り外すためのスクレーパーなど、取り急ぎ必要なものは全て入っています(スティックのりは入っていないため、それだけは予め用意しておきましょう)。
  • 梱包の段ボールと発泡スチロールは、なるべく綺麗に取り外して保管しておくと吉。プリンターの不具合発生時にそれを再使用すれば、返送費用だけで済みますが、段ボール等を新しく用意してもらう場合は、梱包材+送料=¥3,800-(税別)、¥4,104-(税込) が別途掛かるとの事です。(2016年4月11日追記

造型時

  • キャリブレーションなどを行うと、プラットフォームが上がったっきり下に戻らなくなる場合があります。そんな時にプラットフォームを下へ戻す方法は、JOGモードZジク010mm右矢印を押す(左矢印を押すと、逆に上がります)で下げることが出来ます。ちょっとの所がマニュアルに書いてなくて、とまどう事が多いかも知れませんね。(2016年3月4日追記
  • プラットフォームは自動で温まってくれる、いわゆるヒートベッドとなっており、造型不良を減らすためにヒートベッドを自作される方もいるようですが、とりあえずはその必要はありません。
  • プラットフォームへ貼るシートを長持ちさせる方法の1つに、造型前に固形のスティックのりを造形物が配置される周辺に塗っておく方法もあります(マニュアルと一緒に入っていた、1枚のペラ紙にも記載有り)。高さが変わるほどは塗らない方が良いでしょうが、軽く塗り塗りしておく程度で。造型後は濡れ雑巾で軽く拭いておきましょう。(2016年3月4日追記
  • ファームウェアのトラブルなのか、XYZware For Pro は印刷データの書き出しの際に、何度か「動作を停止しました」のメッセージが。3回ほどやり直すと正常に印刷できましたが、STLデータからスライスしたデータへの変換が上手く行かない時があるのかも知れません。
  • 社外製フィラメントを使用する場合、購入したフィラメントのリールを置く・引っ掛けるなどして造型する必要がありますが、当事務所では100均のワイヤーハンガーを細工して以下の様にセットしています。
    中には乾燥剤が入ったまま購入時の袋を流用しているので、フィラメントの湿気対策もバッチリ。リールとフィラメントだけが回転して、フィラメントがスルスルと引き出されるようになっています。

消耗品について

  • カプトンテープは破れやすいため、 ブルーテープシワなしピット をたっぷり目に塗布した状態でプリントすると、造形物との密着が非常に良い上に、剥がす時も簡単にパリッと剥がれるようになりました(シール剥がしの様な薄い金属の スクレーパー はあった方が楽チンです)。
    スティックのりは 消え色Pit や ノーマルな白いものなど試してみましたが、今の所は シワなしPit が密着・剥がれやすさ共に一番良い状況です。

    またブルーテープは造型毎に剥がして(簡単に剥がれます)、造型時にはモデルが乗っかる所だけにブルーテープを貼るのですが、プラットフォームに碁盤の目をサインペンで描いておくと、どこにブルーテープを貼ればよいかが分かり易くなります(※下のツイートは少し前のものです)。(2016年9月16日追記

    2017年4月10日追記動画

電気代について

  • 実は少し恐れていた電気代。ノズルを200度超まで温めたり、毎日のように機械を右へ左へ数時間・数十時間と動かしていたので、ひょっとしたらとんでもない金額になっているのでは?と思っていたのですが、昨年の同月と比較すると4,000円ほど高くなっているだけでした。
    使用時間にもよるので上下はすると思いますが、ガッツリ使っても1万円アップ、とまでは行かないようです。(2016年4月18日追記

ダヴィンチ1.0 Proによる3Dプリントの成功例・失敗例をそれぞれ掲載していますので、下記のページにて是非ご覧ください。

他にも何かあれば追記していきます。

フィラメント式なので簡易の試作用として活用しつつ、折を見てフィラメントの種類なども増やしていきますので、こういった造型・3Dプリントのご依頼がもし御座いましたら、是非お声がけくださいませ!

そして最後に…

ネット上に公開されている、最新版の製品マニュアルについて

ダヴィンチ1.0Pro を購入すると、ユーザークイックガイドと書かれた簡易のマニュアルが付いてくるのですが、より詳しく書かれたマニュアルをネット上で見つけましたので追記します。
下記のURLで開く XYZプリンティングジャパン (※要ログイン)のページ下方にある「製品ドキュメント」の項目にPDFのリンクが掲載されており、そこからダウンロードも可能です。
日付を見ると随時更新されているようなので、小まめに見ておいた方が良いかも知れませんね!

2016年4月11日現在、ちょっと不具合が…

ここ数日キャリブレーションがなかなか始まらなかったり(ノズルの温度不足?)、キャリブレーションの失敗が続いたり、キャリブレーション始まらないな~と思ったらエラーコード0011(ノズル加熱不良)が表示される事が多発しており、ただいまサポートには問い合わせ中(返事待ち)…
検索すると、エラーコード0011(ノズル加熱不良)が表示されるのはダヴィンチシリーズではよくあるという記述を見かけたりもします。

【2016年4月12日】
結局サポートセンターへ一度送り返すことになり、さきほどドナドナされていきました…
しばしのお別れです…(涙
福井県から千葉県のサポートセンターまでの送料は、クロネコヤマトさんで1,836円。南無…

【2016年5月3日】
本日サポートセンターからダヴィンチ1.0 Proが戻ってきました。
中には修理報告の類は入っていなかったのですが、サポートセンターからのメールによると、フィラメントガイドチューブノズル間の継手部分に不具合を確認し、交換すると症状が改善したとの事
私の環境で発生した

  • キャリブレーションがなかなか始まらない
  • キャリブレーションの失敗が頻発する
  • エラーコード0011ノズル加熱不良が出る

という問題は確認できなかったとの事で、正直解せない所は有りつつも、今は無事動いているのでしばらくは様子を見たいと思います。
どう考えてもキャリブレーションが始まらないとか、ノズル温度加熱不良と継手部分には関係が無いように思うんですがね…

安心の Pxmalion 製ABSフィラメント。いつも使っています。

安心の Pxmalion 製PLAフィラメント。いつも使っています。


宜しければ是非お願いします :)

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“3Dプリンター ダヴィンチ1.0 Pro の使用感について” への4件のフィードバック

  1. MOON より:

    Facebook内にダヴィンチ da Vinci 1.0 の情報交換場を作ってます。わたしの、散々な記録も(^^;)
    https://goo.gl/p5VBnC

    • i.Design Studio より:

      MOONさん
      コメント有難う御座いました、覗いてみます!

  2. 1.0ユーザー より:

    Proへの買い替え検討中に検索で来ました
    動作の動画はありがたかったです

    1.0との比較では・・・
    見た感じ動作速度はあまり向上してませんね
    動画は印刷速度の設定がどうだったかにもよりますが
    動作音はやや静かになったかも?

    ウチの機体は寝ながら動作させてることも多いので
    防音シートと鉛と吸音材で固めてます
    使い出して少し経ったらうるさくなってきたので
    ギアとベアリングに良いグリスを注すと少し静かになりました

    大きな造形することが多いので安いUPSとつないでます
    7時間の造形後半で電子レンジとトースター同時に使われてブレーカー落ちたとか
    笑えない事態になります
    せっかく大きな造形ができるものの、大きな造形は避けて
    可能な限りジョイント構造にして分割印刷するようにしてます

    アルミのヒートベッドどうなんでしょうか
    従来のヒートベッドは冬場やクーラーでなかなか温度が上がらないこともあって
    隙間塞いだりしないと印刷が始まらないこともありましたが

    ポリイミドテープ張ってシワなしピット薄塗りで造形してます
    ラフトはなしにしてます

    機械強度が要求される造形をちょいちょい作るので
    印刷強度の強い印刷方向を意識して作ることが多いのですが
    造形失敗減らすのにも有効ですよ

    他社製フィラメント使う時はカートリッジに巻き直しなんでしょうかね?

    安価で基本的なことには十分のシリーズだと思いますので、うまいこと使いこなしてください
    突然の長文失礼しました

    • i.Design Studio より:

      初めまして!
      お役に立てたようで、何よりです。

      ブレーカーが落ちるのは大変ですね…
      こちらの場合、メガネフレーム程度の大きさで試している所ですが、まだまだ失敗作も多いですが、少しコツが掴めてきた所です(またブログにも書きたいです)。

      ヒートベッドかつ密閉式な点は、安定性という点で非常に貢献しているのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか。
      他の機種と比較していないので何とも言えませんが、少し寒い15度ぐらいの室温でも造型は出来ているので、個人的には助かっていると思っています。

      他社製フィラメントの場合、
      http://www.thingiverse.com/thing:1234196
      のようなモノで外付けで運用されている方も多いみたいですねー。
      またそういった所も少しずつまとめておこうと思っていますので、今後も当ブログを宜しくお願い致します。

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